ぎっくり腰は何がどうなったのか

2013-01-17

「ぎっくり腰」という言葉はよく使われるわりに、明確な定義はありません。中には「これってぎっくり腰でしょうか?」とわざわざ質問される方もあります。私なりにお答えしてみたいと思います。

そもそも「ぎっくり腰」って何がどうなったのか?

症状としては、突然の強烈な痛み、立っていられないほどの痛み、腰に力が入らない、寝返りも打てない、ときには殿部や脚部のしびれも・・・。こういった状況になったときに「ぎっくり腰になった~!」と叫ぶ方がほとんどでしょう。

要するに、「突然起こる腰部の激痛」(数日かけて痛みがだんだん増す場合もあります)を俗に「ぎっくり腰」と呼んでいるわけです。

「腰が抜ける」とか「腰砕け」という言葉があるように、感覚としてはまさにそう表現したくなる人もいるでしょう。しかし、これらの言葉のせいか、本当に腰の骨が抜けた(大きくずれた)のではないかとか、骨盤が大きく歪んでしまったんじゃないか、などと心配する方もおられるようです。

結論からいえば、そのような心配はまずありません。

もっとも交通事故や転落事故といった大きな事故に遭ったような場合は別ですが、元来背骨や骨盤は丈夫な靭帯で何重にも補強されています。通常の生活では、そんなに簡単に外れたり、歪んだりするものではないのです。

ではいったい何なのでしょう?

たいていの場合は、腰部・骨盤部周辺の靭帯・筋膜・筋肉の損傷だと、私は考えています。

  • 靭帯・・・関節の補強バンド
  • 筋膜・・・筋肉を包む薄い膜
  • 筋肉・・・はわかりますね

ぎっくり腰の大半は、これら「軟部組織」と呼ばれる組織が傷ついたり裂けたりしている状態です。

軟部組織が損傷する原因は?

ではなぜ軟部組織が損傷を起こすのでしょうか?

これはよく古いゴムに例えられます。古くなったゴムは柔軟性を失い弱くなっているため、少し引っ張っただけでプチッと切れてしまいますよね。靭帯・筋膜・筋肉にも似たようなことが起きているわけです。

もっともぎっくり腰は高齢者だけでなく若い人でもなりますので、ゴムの「古さ」で説明するのは無理があります。ここでは、ゴムの古さは軟部組織の「疲労」と考えてください。

何らかの原因で軟部組織、特に「筋肉」に疲労が蓄積されると、筋肉は硬くなってきます。筋肉が硬くなれば筋膜や靭帯といった組織もキューッとテンションがかかりっぱなしになります。特に腰部から骨盤部にかけては、胸腰筋膜という丈夫な膜で覆われていますが、ここの緊張が高まります。

この緊張が高まった状態のときに、前屈みの姿勢や不用意に重い物を持つといった腰に負荷がかかる動きをすることで、損傷を起こしてしまうのです。

【胸腰筋膜】

胸腰筋膜

■軟部組織が疲労する原因

では軟部組織(特に筋肉)が疲労してしまうのはなぜでしょう?主な原因としては次のようなものが挙げられます。

  • 座りっぱなしや立ちっぱなしの姿勢が多い(運動不足)
  • ハードな運動によるもの(運動過多)
  • もともとの悪い姿勢(一見良い姿勢でも実際には体に悪い場合もあります)
  • 積荷作業のような腰の負荷の強い作業
  • 精神的ストレス

これらにより疲労が蓄積してくると筋肉は硬くなってきます。「腰が張る」「腰が重い」といった前兆を感じる場合もあります。思い当たる人は要注意です。疲労回復で予防に努めましょう。

こちらのページも参考にしてみてくださいね→「腰痛・ぎっくり腰について」

次回からは予防法や対処法なども書いてみたいと思います。


<今回のポイント>

  • ぎっくり腰の大半は靭帯・筋膜・筋肉といった軟部組織の疲労からくる損傷
  • 骨がずれたり外れたりするわけではない
  •  長時間の同一姿勢や過度な負荷、精神的ストレスなどで疲労が蓄積

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