とんだ勘違い!「聞き上手」ではなかった自分

2013-01-28

『プロカウンセラーの聞く技術』(東山紘久/創元社)を読んで感銘を受けたお話のつづきです。前回はこちら⇒『話を「聞く」ことの難しさ』

「素直に」聞くこと

皆さんは、興味のある話と興味のない話では、どちらが聞きやすいですか?言うまでもなく興味のある話ですよね。自分の関心のない話を聞くのはけっこう辛いし、面倒臭い。それが普通でしょう。

ところが著者によれば、プロのカウンセラーはこれが逆なんだとか。というのも、相談者がする興味深い話はつい「興味深く」聞いてしまって、「素直に」聞くことが困難になるのだそうです。

なぜなら、自分の気持ちや感情によって相談者の話を聞いてしまうからです。これは共感しているようで、じつは共感ではないのです。共感とは相手の気持ちで話を聞くことで、自分の気持ちで聞くと、どこかで相談者の気持ちとズレが生じるのです。・・・われわれカウンセラーの聞き方は、すべてが相手中心なのです。(91頁)

「素直に」聞くこと。たとえ相手が阪神ファンでカープファンじゃなくても、どうして阪神なんだ、カープから奪ってばかりじゃないか、などとは言わずに、そうですかあなたは阪神ファンなんですね、と「素直に」聞く。相手のことは相手のこととして聞く。

相手に素直であるのと、自分に素直であることを区別する訓練さえすれば、そんなにむずかしいことではありません。相手のことは、相手の思いのままに聞き、自分の思いは相手が聞くまで胸にしまっているだけです。・・・素直に聞くことは、素直に話すこととは違います。(101頁)

正直に言って、私はここまで考えたことはありませんでした。

「LISTENせよ、ASKするな」

この言葉も実に印象的でした。ASKすると質問者側の意図が入ってしまい、相手の立場から発した情報が得られなくなるということ。むやみに聞きだそうとする態度は、著者曰く、「聞き手の『助平ごころ』」

私も施術者として患者さんに対し、必要な情報収集のために質問しますが、「助平ごころ」で不必要なことまで聞いてしまったことも多かったのでは、と反省させられます。

デモ行進はけんかのとき

「話し手の波に乗る」という章では、話の流れに逆らわない第一は反論しないことであり、「でも」「しかし」「けれど」などの逆接の接続詞を使わないこと、とあります。

これは会話術においては基本と言ってもいいものでしょうが、今回あらためて読んで、患者さんとの会話で「でも」を使っていないかどうか意識してみました。するとどうでしょう。自分でも驚くほどに、「でも」が口から出そうになるのです。

つまり、それだけ普段は無意識のうちに「でも」を口にしていたということです。私の場合、相手を否定するというよりも、「そうですね。でも・・・」と、自分のペースに話を持っていきたいときに多発する傾向があることがわかりました。このことに気づけただけでも良かったです。

「聞き上手」には一朝一夕でなれそうもありません。これから新たな気持ちで“修業”していきたいと思わされています。

カテゴリー: 施術について

コメント2件

  • 松下 | 2013.01.28 23:41

    「でも」の使い方、言われてみれば、私も同じように使っていました。
    私たちは、プロとしてお金をもらっているので、技術や知識があるのは
    当たりまえですが、それと同じかそれ以上に大切なことがありますね。
    お客様に、自分で身体を守る・整える気になっていただくことと、
    継続してもらうこと…難しいですね。
    合気道のように、素直に話を聞き、その力を素直に活かせるように
    なりたいですね。

  • 院長もりた | 2013.01.29 9:21

    松下様

    そうですね、矛盾に聞こえるかもしれませんが、「他人任せ」からいかに脱却してもらうかは難しいけれど重要ですね。なるほど、合気道の精神は通じるかもしれませんね。相手の力をうまく活かす発想、心に留めたいと思います。

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