「ぶら下がり健康器」の効果について

2013-02-04

その昔、「ぶら下がり健康器」が一大ブームになったときがありました。誰もかれも競うようにぶら下がってはみたものの、いつの間にやら洋服掛けに・・・というのが通常のパターン。その割には今でも通販などで販売は続いています。

そもそもこの「ぶら下がり健康器」はほんとうに健康に良いのかどうか、について私の考えを述べてみましょう。

私の結論

結論から言うと、「すごくいい」

肩こり・腰痛等の解消、姿勢矯正、柔軟性アップ、血流改善、筋力強化など、いろいろな効果が期待できます。

「ぶら下がり健康器」は、日頃伸ばしにくい部分を伸ばすことが可能です。それは、「背骨」と「筋肉」の両面で当てはまります。

背骨が伸びる

「背骨」(解剖学上は「脊柱」といいます)は、24個の椎骨(頸椎7個・胸椎12個・腰椎5個)と仙骨・尾骨から成り立っています。椎骨はそれぞれ椎間板とよばれるクッションや椎間関節によって連なっていて、解剖学的には次のような動きを可能にしています。

  • 屈曲(前屈)
  • 伸展(後ろ反らし)
  • 側屈(横曲げ)
  • 回旋(ねじり)

脊柱の動き

解剖学上ではこの4種類の動きで説明されます。しかし、実際には“もう1種類の動き”が脊柱にはあります。

脊柱のもう一つの動き「伸縮」

それは「伸縮」(伸び縮み)です。この動きは解剖学上の動きほどにははっきりしたものではありませんが、たしかに存在しています。

伸び縮み

整形外科ではよく腰の牽引治療を行ないますね。これなどは背骨を牽引して「伸ばす」ことで、椎間板内圧を下げようとしているわけです。(注;その効果については諸説あります。ここでは触れません)

すぐにお気づきになるように、ぶら下がることで背骨に上下の「伸び」の動きが出てきます。この動きは普段ないものです。いつもは体重により「縮み」方向にばかり圧がかかっている関節に、ぶら下がることで「伸び」の動きが生じるのです。

これにより、背骨の柔軟性が回復されると思われます。柔軟性が回復すれば、椎間板がつぶれるといった椎間板の変性も起こりにくくなります

筋肉が伸びる

ぶら下がることで背骨だけでなく、筋肉が伸びることも、実感するでしょう。やってみればわかりますが、どの筋肉とは特定しにくいほど、実に多くの筋肉が一度に伸びます。

中でも姿勢矯正に重要な「広背筋」はひときわ大きく伸ばされます。

広背筋

図のように腰部と上腕骨を結んでいる文字通り「広い背中の筋肉」で、たくましい逆三角形を作る筋肉としても知られます。手を挙げたときに脇の下の一番外側に触れる筋肉が広背筋です。

広背筋はおもに、

  • 腕を下ろす
  • 腕を内側にねじる

といった働きをします。

猫背の人はたいてい腕(肩)が内側に入ってしまっています。この原因の一つが、「広背筋の短縮」です。

ぶら下がることで、広背筋をはじめ、特に脇の下がよく伸びます。脇を伸ばすことが猫背矯正の重要なアプローチなのです!

「ぶら下がり健康器」はこのように背骨や筋肉を伸ばし、健康な体作りに有益な器具です。しかしながら、初めに書きましたように、洋服掛けになってしまう人が多いのも事実です。次回は、「ぶら下がり健康器」を洋服掛けにせずに有効に使う、上手な利用法について書いてみます。

コメント6件

  • 松下 | 2013.02.04 20:54

    なるほど!
    僕も、靴の師匠に「ぶら下がり健康器は
    健康器具の中で一番価値がある」と言われたことを
    思い出しました。
    ぶら下がりたい!

  • 院長もりた | 2013.02.05 11:37

    松下様
    ほほぉ、お師匠様がそんなことを!私もそう思いますね。
    ぜひどこかぶら下がる所をお探しください(笑)

  • しま | 2013.02.05 11:14

    うちも店に置いてますけど、やっぱりいいですよね!
    ちゃんと筋トレに使えば逆三角形の背中を手に入れることも。。。

    皆さんぶら下がるだけで、意外ときついと言っています(*´Д`*)

  • 院長もりた | 2013.02.05 11:38

    しま様
    あ、やはり置いてますか!
    そうそう、ぶら下がるのってけっこうきついんですよね。だから洋服掛けに・・・。対策を次回書きますよ!

  • 志治 | 2013.09.10 17:53

    日常の腰痛・背中痛対策、ストレッチのために「ぶらさがり健康器」の購入を考えています。質問は「逆さ吊り健康器はより効果がある」というのは本当でしょうか?
    ただ「高い」「場所をとる」「他の活用(洗濯物干しなど)に使いづらい」など欠点もあるようですが・・・

    先生のご意見をお聞かせくださいませ。

  • 院長もりた | 2013.09.10 20:07

    志治様
    逆さ吊り、けっこう出てますよね。私自身は試したことがありませんので何とも言えないのですが、通常のぶら下がり器で十分のような気はしています。
    腰や背中の筋肉が腕にまで届いていることを考えると、やはり手で掴まって腕から背中までしっかり伸ばせる通常版のほうが良いのではないかと思います。
    猫背予防(矯正)となるとなおさらです。
    ただ、たとえばヒクソン・グレイシーは、足首をひっかけて逆さ吊りになるエクササイズを行なっていましたね。逆さ吊りはある程度鍛えられた人向けという気もします。

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