テニス肘(上腕骨外側上顆炎)について(1)・解剖学からの解説

2013-02-18

肘が痛いので病院で診てもらったら、「テニス肘」と診断された。「えっ、テニスもしてないのにテニス肘!?」と突っ込みそうになった経験はありませんか?

そうなんです。「テニス肘」は肘の痛みを代表する疾患の一つで、別にテニスをしていなくてもなります。正式には、「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」といいます。どんなものなのか、ご説明しますね。

上腕骨外側上顆ってどこ?

まずは上腕骨に関する解剖学から。「上腕」とは肩から肘までを指します(ちなみに肘から先が「前腕」)。この部分にある骨が「上腕骨」です。

上腕骨は先端で尺骨(しゃっこつ)及び橈骨(とうこつ)とつながって、「肘関節」を形成します。掌を前方に向けた状態で、内側にある大きな出っ張りを「内側上顆」、外側にある大きな出っ張りを「外側上顆」と呼びます。

上腕骨

触れてみよう

では、さっそく触って確認してみましょう。左手で右肘を上から大きく掴んでください。親指とその他の指にそれぞれ大きな骨の出っ張りが触れますね。親指で触れているのが「上腕骨内側上顆」で、他の指で触れているのが「上腕骨外側上顆」です。上腕骨の先端が意外に大きいことに気づかれると思います。

上腕骨2

さらにそのまま右手首を後ろに反らしたり(伸展)、前に曲げたり(屈曲)してみてください。伸展のときには四指側の筋肉が動き、屈曲のときには親指側の筋肉が動くのがわかりますか。

手首を伸展するときに動いているのが「伸筋群」、屈曲するときに動いているのが「屈筋群」です。つまり、主として伸筋群は外側上顆から始まり、屈筋群は内側上顆から始まっているのです。

手首の伸筋群にはどんな筋肉があるのか

さあ、だんだん専門的になってきましたよ。頑張ってついてきて下さい!

手首を反らす伸筋群の代表選手を3つご紹介します。

  • 「尺側手根伸筋(しゃくそくしゅこんしんきん)」
  • 「総指伸筋(そうししんきん)」
  • 「短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)」

手首の伸筋群

手首の伸筋は、このほかにもありますが、とりあえずこの3つの筋肉が重要です。これらはいずれも、上腕骨外側上顆から始まって、手の甲側にまで伸びています。

そして、これらの筋肉が酷使されると、上腕骨外側上顆周辺に炎症が生じ、痛みが出ます。これが「上腕骨外側上顆炎」、別名「テニス肘」なのです。

なぜテニス肘と呼ぶのか?

「テニス肘」は、またの名を「バックハンド肘」とか「バックハンドテニス肘」といいます。バックハンドのときには手の甲を前方に向けて打ちますが、このときに伸筋群が強力に働いて、手首をがっちり固めてくれています。その結果、伸筋群が酷使されて上腕骨外側上顆炎を引き起こします。テニスをする人にこの痛みが多いので、上記のような名前がついたわけですね。

冒頭で、「テニスをしていなくてもなります」と書きました。次回は、テニス以外の原因で、思わぬ「盲点」になっている事柄を取り上げます。


<まとめ>

  • 上腕骨外側上顆は、肘の外側の大きな出っ張り
  • 手首の伸筋群は上腕骨外側上顆から始まる
  • 手首の伸筋群を酷使することで、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)が引き起こされる
カテゴリー: 各種症状について

コメント2件

  • かよこ | 2013.05.03 16:08

    看護学校1年生、解剖学始まりました!
    悪戦苦闘中(>_<)
    でも、この説明は、すっごい分かりやすい!
    感動したのでコメント残してみました。

  • 院長もりた | 2013.05.03 17:01

    かよこ様
    コメントありがとうございます!!
    そうですか、感動までしてくださいましたか。一生懸命書いた甲斐がありました。嬉しいですね。
    看護学校に通われてるのですね。解剖学もはじめはややこしく感じるかもしれませんが、慣れてきたらなんてことないですよ。頑張ってください!

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