テニス肘(上腕骨外側上顆炎)について(2)・パソコン作業との関係

2013-02-19

前回の記事、「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)について(1)・解剖学からの解説」でのポイントは、

  • 手首の伸筋群は、上腕骨外側上顆から始まっている
  • 伸筋群を酷使することで、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)が引き起こされる

というものでした。

そして、手首の伸筋群として重要な筋肉を3つ挙げました。

  • 「尺側手根伸筋(しゃくそくしゅこんしんきん)」
  • 「総指伸筋(そうししんきん)」
  • 「短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)」

手首の伸筋群

前回も書いたように、テニスをしていない人でもテニス肘になります。いやむしろ、そのような人のほうが圧倒的に多いでしょう。肘の外側の痛み(上腕骨外側上顆炎)を、俗に「テニス肘」と呼んでいるだけですから。

したがって、テニス肘を引き起こす要因にはさまざまなものがあります。その中から今回は、意外な“盲点”とも言うべき要因を取り上げます。

テニス肘を引き起こす意外な要因とは?

その要因とは、ずばり、「パソコン作業」です。パソコンに向かう時間が長い人、特に入力作業の多い人は要注意です。

手首の伸展位

まず注意して欲しいのは、キーボードを入力するとき、またはマウスを握ったときの、「手首の角度」です。おそらくたいていの場合、軽く反らした(伸展した)状態になっているはずです。

グイッと大きく反らしてはいないので、手首を反らしているという自覚は無いでしょう。しかし、解剖学でいう「伸展位」であることに違いありません。実は、この状態が長時間持続することで、伸筋群に疲労が蓄積してきます。

PC手首の伸展

手指の伸展位

もう一つ注意したいのは、キーボードを入力するときの「指の角度」です。正確に言うと、「中手指節関節(ちゅうしゅしせつかんせつ)」の角度になります。握りこぶしを作ったときに、手の甲にグッと飛び出る所です。

キーボードを打つときには指をカチャカチャと上下させますね。このとき、中手指節関節はやはり「伸展位」になります。そして、この中手指節関節を伸展させるのが「総指伸筋」なのです。

試しにキーボードを打つように指を動かしてみてください。手の甲に複数のスジが動くのがよくわかるでしょう。これが総指伸筋の腱です。

このように、パソコン作業では、手首も手指も「伸展位」で行われるため、結果的に伸筋群が酷使され、起始部である上腕骨外側上顆に痛みの出やすい状態になってしまうのです。

長時間の入力作業のあとに、肘から手首のあたりを揉みたくなるのは、このためなんですね。

次回は、予防法やストレッチなどの対策について書いてみます。


<まとめ>

  • パソコン作業では、手首も手指も「伸展位」になる
  • 中手指節関節を伸展させるのは総指伸筋
  • 長時間のパソコン作業により、手首の伸筋群が疲労し、上腕骨外側上顆に痛みが出やすくなる
カテゴリー: 各種症状について

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