坐骨神経痛の原因となる殿部の3つの筋肉

2013-05-30

殿部や大腿部の痛みを訴えて病院で診てもらったところ、「坐骨神経痛です」と言われたという人はたくさんおられますね。坐骨神経は、腰部や仙骨部から出た神経が束となって殿部を通り、大腿後面から下腿にかけて枝分かれしながら足裏まで届く人体最長の神経です。

坐骨神経痛は、症状名であって病名ではありません。殿部や下肢後面の痛みはたしかに「坐骨神経痛」なのですが、問題はその原因です。多くの場合、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、脊椎分離すべり症などといった骨性の変性が主な原因とされます。

しかし私は、筋肉の硬結(トリガーポイント)からくる「関連痛」であるケースが多いのではないかと、推測しています。というのは、先日も書いたように、ヘルニアの手術を受けても再発する人もいれば、手術しないで良くなる人もいるのです。そして、トリガーポイントに施術を施すことで、驚くほど痛みが消えていく例が少なくないのです。

今回は、坐骨神経痛を引き起こす殿部の代表的な3つの筋肉について解説します。

トリガーポイントから生じる関連痛

「目の奥の痛みの原因となる3つの筋肉」の記事でも説明しましたが、ここでも簡単に書いておきます。トリガーポイントとは筋肉の硬結(こり)のことで、「引き金点」という意味です。その部位だけでなく、離れた部位にも痛み(関連痛)を発生させる、いわば「痛みの震源地」の性質を持ちます。押すと圧痛を感じ、他の場所にビーンと響く感覚があります。

画像診断では確認しにくいので、病院では見落とされがちでした。近年では、医学の世界でも注目されてきており、局所麻酔剤を打つ「トリガーポイント注射」を行う病院も増えています。

坐骨神経痛を引き起こす3つの筋肉

坐骨神経痛を引き起こす殿部の代表的な筋肉とは、次の3つです。

  1. 中殿筋
  2. 小殿筋
  3. 梨状筋(りじょうきん)

中殿筋

殿筋は外側から、「大殿筋」「中殿筋」「小殿筋」と重なっています。お尻の丸みを作っているのが「大殿筋」で、その奥に「中殿筋」があります。

中殿筋は骨盤の腸骨陵に沿ったラインと、お尻の外側やや下方に位置する「大腿骨大転子」とを結んでいます。脚を横に上げる「股関節の外転」が主な役目ですが、実際には歩行時にグッと収縮することで骨盤を安定させる働きで活躍します。

腸骨陵に沿ったあたりにトリガーポイントが生じやすく、腰痛及び仙骨部や殿部の痛みを引き起こします。(×印がトリガーポイントのできやすい部分、赤点が関連痛領域)

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小殿筋

小殿筋は中殿筋のさらに奥にあり、中殿筋と同じく腸骨と大腿骨大転子を結ぶ、中殿筋より少し小さい筋肉です。やはり中殿筋同様「股関節の外転」の筋肉で、歩行時などに大腿骨を引き寄せ骨盤を安定させるのが主な役目です。

大転子のすぐ上方が臨床的に重要なトリガーポイントの発生場所です。関連痛は、殿部並びに大腿から下腿までの広い範囲に広がります。特に大腿外側の痛みやしびれを扱う場合には、小殿筋の施術抜きには考えられないほど重要です。

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梨状筋

西洋梨のような形からこの名前がついています。仙骨と大腿骨大転子を結び、股関節を外に開く動き(外旋)の主働筋です。

坐骨神経は、この梨状筋の下を抜け出てくるので、梨状筋が硬くなることで坐骨神経痛が起きやすいとされます。これを「梨状筋症候群」といいます。

仙骨付近や殿部、大腿後面に関連痛を生じさせます。

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 まずはほぐしてみよう

今回取り上げた筋肉は、いずれも臨床上大変重要な筋肉です。これらの筋肉にアプローチすることなしに、坐骨神経痛に対処することは考えられません。殿部の筋肉を的確にほぐすには、それなりの技術が必要です。痛いばかりでもいけませんし、なでさするような押圧では効きません。信頼できる治療家を探して、相談してみてください。

自分でほぐす方法は、こちらの記事で紹介したボールを使うやり方などがおすすめです。

なお、馬尾腫瘍や骨腫瘍など、重大な疾患による坐骨神経痛もありますので、一度はきちんと病院を受診されることをお勧めします

カテゴリー: 各種症状について

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