お勧め本・『医者の世話にならない生きかた』

2013-08-07

今日は一冊の本を紹介します。

『医者の世話にならない生きかた』(渥美和彦/ダイヤモンド社)

isyanosewani

著者は、プロフィールを見ると今年で85歳。人工心臓、レーザー治療、電子カルテなど、最先端医療の研究に従事してこられ、なんと『鉄腕アトム』に出てくる「お茶の水博士」のモデルの一人だそうです。

この本では、医療の最先端を突き進んできた著者が、自らの反省も踏まえながら、今後の「医」と「健康」のあり方について貴重な提言をしています。

曰く、

  1. 「病院で、できること」と「病院で、できないこと」を知り、
  2. 「医者に任せること」と「医者に任せないこと」を見きわめ、
  3. できる限り、自分で自分の面倒を見る

ことが大切で、医者・医学者として最後にたどりついたのが、「医者の世話にならない生きかた」だということです。(20頁参照)

私がこの本をお勧めしたい理由のひとつは、本書がよくありがちな単なる「医療批判本」ではなく、長年にわたり真摯に医療と向き合って来られた医師らしい、誠実でバランスの取れたアドバイスに満ちているという点です。

最近は、「医療批判本」がウケる傾向にあります。それらはけっして嘘を書いてはいないのでしょうし、現代医療に批判すべき点が多々あるのは言うまでもありません。ただ、そういう類いの本には、お勧めしたくないものも少なくありません。というのも、しばしば、読むのもイヤになるほど文章が毒づいているからです。

言葉には力があります。良い力を伴う言葉であればよいのですが、悪い力を伴う言葉もあり、後者のほうが世間ウケする傾向が強いのです。少なくとも一時的には。そして、悪い力(「気」といってもよいかもしれません)に根付いた文章は、読む人を不健康にすると私は考えます。読者は十分に注意する必要があります。(この傾向は、ネットの世界ではさらに顕著です)

少し話が反れてしまいましたが、本書は良い力(気)に満ちています。その上で、現代医療の問題点がどこにあり、「医」や「健康」というものをどう捉え、どう行動すべきかについて、わかりやすく書いてあります。

著者は、自らも鍼治療を受けているそうで、代替医療も深く理解しておられます。代替医療も含めたうえで、自分に合った「健康の伴走者」を見つけることの大切さを説いておられる点は、いち手技療法家として嬉しい限りです。

また、次のような考え方は、私も常日頃感じていたことでした。

 要するに、病気が完全に「治る」のは、稀なことなのです。
 ですから、「なぜ、自分の病気だけ治らないのだろう」と落胆したり、失望したりしても、それは詮無いこと。「なぜ、自分だけ」と考えるのではなく、「そういうものだ」と考えを切り替えて、体調をそこそこの状態に保てるよう努力する。快調とはいかなくとも、つつがなく毎日を送れる状態にあるのなら、よしとする。その状態を「治る」と捉えて過ごしてみる。
 同じ時間を生きるにしても、そのほうがよほど有意義で、幸福なのではないでしょうか。(180-181頁より)

高齢化社会がますます加速するこれからの日本において、一人一人が本書で語られているような考え方を持っておくことは、大変重要であると感じます。私もさっそく両親に勧めようと思っています。

カテゴリー: 書評

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