ランニング障害の人に多い腰椎の後弯

2013-11-22

ここ数年、ランニングによる故障で来院されるケースが増えています。それだけ市民ランナーの数が増えているということでしょう。

症状は、膝が痛い、股関節が痛い、お尻が痛い、ふくらはぎが痛い、スネが痛い、アキレス腱が痛い、足首が痛い、足裏が痛い、腰が痛い、などです。要するに、下半身のいたるところに痛みが出ています。

ランニング障害の人に共通すること

痛みの出る人は、次のいずれかに当てはまります。

  • ランニング初心者
  • 練習のしすぎ
  • ケアの怠り
  • 悪いフォーム
  • 体の知識不足

実は、これらのほかに、もう1つ重要な共通項があります。それは、「腰椎が後弯気味である」ことです。

本来の腰椎は自然な前弯

人間の背骨は、横から見るとS字カーブを描いています。頚椎は前弯、胸椎は後弯、腰椎は前弯です(写真左)。ランニング障害を訴える人に多いのが、腰椎の前弯がなくなって、真っ直ぐから後弯気味になっているケースです(写真右)。

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腰椎が後弯するとどうなるか

腰椎の前弯が失われ、後弯するとどうなるのでしょうか。

1.骨盤が後傾する

もう一度上の写真をよく見比べてください。骨盤の傾きがまったく違うことがわかります。腰椎が後弯するほどに、骨盤は後ろに傾きます。これがまず第一のポイントです。

2.腰が落ちたフォームになる

骨盤が後傾すると、どうなるでしょう。ランナーの方ならお気づきですね。いわゆる「腰の落ちたフォーム」になってしまうのです。

腰が落ちたフォームだとどうなるか

では、腰が落ちたフォームで走るとどうなるでしょうか。

脚が前に出て伸びない走りになります。推進力が失われるので、脚の負担は増します。極端な言い方をすれば、一歩ごとにスクワットしながら走っているようなものです。これでは故障が起きてもなんら不思議ではありません。

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腰椎後弯では骨盤前傾はできない

ランニングの本には必ず「骨盤を前傾させて走る」と書いてあります。これで腰の高い推進力のあるフォームが生まれます。

腰椎が後弯気味になっている人は、本人は骨盤を前傾させているつもりでも、実際には前傾していません。骨盤を前傾させるには、腰椎の前弯が必要だからです。

腰椎の後弯は、ほとんどの人が自覚していません。指摘されてはじめて、「え、そうですか」とおっしゃいます。フォームを改善したいのに、結果が出ないという人は、まず腰椎の後弯を改善することをこころがけるべきです。

また、骨盤を前傾させ、それをキープするには、体幹の筋力が重要です。腰椎が後弯気味の人は、この体幹力が弱っているので、腰痛を持病としている人が多いです。

対策は・・・

思い当たる人は、次のようなことに取り組みましょう。

  • 普段から腰椎を反らすストレッチを行なう。こちらで紹介している方法もおすすめです)
  • 足を組んだり、前に投げ出して座るような座り方を避ける。
  • 腹筋と背筋で上体を真っ直ぐに支える姿勢をこころがける。
  • ランニングフォームを他の人にチェックしてもらう。

蛇足ですが、当院の近所ではよく、実業団の長距離選手が走っているのを見かけます。彼らは遠くからでもひと目でわかります。観察してまっ先に感じるのが、「骨盤の前傾」と「体幹の安定」です。腰が高いため、走りが実に軽く見えます。このようなトップランナーの走りをイメージするのも良い方法だと思います。

せっかく楽しんで走っていても、故障に泣くとしたら悲しいですね。元気に長く走り続けるために、今回の記事もぜひ参考にしてみてください。

カテゴリー: 各種症状について

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