イチロー選手が語る「ケガをしないポイント」とは。

2014-06-03

『ジャンクスポーツ』というテレビ番組にイチロー選手が出ていました。Q&Aのようなやりとりの中で「ケガをしない最大のポイントは?」という質問があり、これに対するイチロー選手の答えが大変興味深いものだったのでご紹介します。

イチロー選手の答えを分析すると、大きく分けて次の二つのことを語っています。

  1. 体のバランスについて
  2. ケガに対する安易な発想について

1.体のバランスについて

イチロー選手はまず、「人間が本来持ってるバランスって必ずある」と言います。(核心からズバリ答えるところが、イチロー選手の頭の良さですね)

さらに、「パワーとかを勘違いして肉体を大きくすることは、絶対にダメなこと」と続けます。

その理由がこうです。

「いろんなセンサーを体は発してくれるのに、それを自ら殺していくことになる。ここが危ないよっていうポイントを、教えてくれない体に自分でしてしまう」

すごい答えです。むやみに体を変えていくと鈍感な体になってしまう、ということです。

かつて同じ質問に対し、イチロー選手は、「自分の体でいること」と答えていました。同じことを言っています。

スポーツをするうえで、最低限のパワーをつけようとトレーニングすることはもちろん大切でしょう。しかし、それが裏目に出てケガをしやすい体になってしまうこともあるよと、イチロー選手は教えてくれています。

言い換えれば、「本来の自分の体がどういうものなのか」を的確に把握すること。

実はイチロー選手は、大リーグに行った頃に体を大きくしたそうです。そうしたら「全然動けなくなった」。そのとき増やした体重がなんと「3キロ」だったとか。3キロ増えただけでまったく動かないと感じるほど、イチロー選手の体に張り巡らされたセンサーは鋭敏である、ということです。

2.ケガに対する安易な発想について

次にイチロー選手はこう続けます。

「ケガを野球の一部だという解釈をしてしまう。でもそうじゃない。防ぎ方は絶対にある」

「一生懸命やったらこうなる(ケガをする)よね、という安易な発想があると、その部分では絶対に進んでいけない」

これも鋭い指摘です。多くのスポーツ選手及び指導者が心に留めるべき言葉です。

特に日本では、これだけスポーツ科学が発達している今日でも「根性論」が根深くしみついています。痛くても歯を食いしばって試合に出ることや、あとさき考えずに死ぬ気でプレーすることが「美徳」として語られます。しかしそもそも大事なことは、ケガをしないことであるのは言うまでもありません。

1.2.共に、よく見ると、日本人特有の「真面目さ」が裏目に出ているという視点が見てとれます。つまり、日本人ほどケガをしやすいと言えるかもしれません。より良いパフォーマンスのために、チームのために、限界を超えて頑張ってしまう(あるいは頑張らせてしまう)のです。

箱根駅伝で活躍した選手の多くが、実業団に入って故障してしまうことなどは、その典型ではないでしょうか。

イチロー選手は、そのような意識、考え方を「安易な発想」と言っています。厳しい言葉ですが、この考え方を受け入れることは大変重要であると思います。

熱さと冷たさのバランス

今回取り上げたイチロー選手のケガに対する考え方は、スポーツ選手や指導者、スポーツ愛好家の皆さんにとって、とても有益なアドバイスではないでしょうか。

彼の語る姿を見ながら、もうひとつ大切なことに気づかされます。

それは、「自分の頭できちんと考える」ということです。燃える心で猛練習というのもいいのですが、同時に冷めた目で客観的に自分を見つめ、自分を管理できる能力が、選手として成長する必要条件であると思わされます。

「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」とは孫子の言葉です。敵を知るだけでなく、自分自身を知ることが、ケガの予防という点でも大切であることを、イチロー選手は教えてくれます。

カテゴリー: 健康法

コメント2件

  • みりん | 2014.08.30 18:47

    はじめまして。

    腰痛・整体に関する事を調べている時、こちらのHPに巡り会うことができました。

    よろしくお願いします。

    実は、おととい、私の応援している阪神の新井良太選手が腰痛のため、長期離脱…

    ということになってしまいまいた。

    良太選手は、ジムでものすごく身体を鍛えて、大きくしているので

    もしかして、その鍛えすぎが今回の腰痛の原因になってるのかも…と思っていたところ、

    この、イチロー選手の記事に出会い

    「やっぱりそうなんだ」と納得できました。

    良太選手の通ってるジムでは「鍛えすぎはダメ!」なんてアドバイスはしてくれないでしょうし、本当に心配です。

    これからも、こちらのHPで身体のことを勉強させてもらおうと思います。

    ありがとうございました。

     

     

     

     

  • 院長もりた | 2014.09.01 10:41

    みりん様

    あらら、新井選手、長期離脱ですか、、、

    トレーニングに関しては、特にプロの選手ほどどう考えるべきか難しいかもしれませんね。というのも、そこまで鍛え上げたからこそやってこれたという部分もあるはずだからです。

    金本選手などはその典型でしょう。カープに入った頃は、ほんとうに細かったですからね。

    イチロー選手のような類稀な能力を持つ選手は、また違うのかもしれません。ただ彼の言うことも示唆に富んでいることは間違いありません。

    ちなみに、イチロー選手はいわゆる「腹筋運動」をしなかったそうですが、それを知ったカープの選手たちがトレーナーに「腹筋しなきゃいけないの?」と尋ねて、トレーナーも困ったそうですよ(笑)

    コメントありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

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